かさぶた

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何者であろうと『別れ』という儀式は、やって来るもので。
大粒の泪が出ようとも、それをグッとこらえようとも、もはやそれすら忘れていようとも、どこかにポッカリ穴があく。
空気を感じることも出来なくなった頃に限って、思い出の場所や、曲をなぞる。
そういう時は、月がポッカリあいた穴に見える。
満ち欠けの問題という科学的思考なら、いっそ良かったのに。
だけどまた、季節を過ぎて思い出をなぞる。
春になり夏になり、秋になりまた冬がくる。
やっぱり、また月がポッカリ浮かんでる。
ふと目の前を黒猫が横切る。
好きなものを愛でることは幸せなことと思う。
痛みも思い出とともに、好きなものになればいい。
今日の月は綺麗だった。
その他
公開:20/01/12 02:56

ibara_hime

文章を削る練習をしています。
妄想は得意。感想は苦手。   ・・・・・・です。

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