ダイイングメッセージ

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主婦が台所で殺された。包丁でひとつきだった。その主婦は最後の力を振り絞って、台所の床に自らの血で文字を残していた。
現場に駆け付けた刑事は、掠れている文字を読み取った。
「ジャガイモにニンジン……カレー……」
どうやら夕飯の献立のようだ。自分の命より、子供たちに食べさせる夕飯の心配をしていたのだろう。それだけ、子供たちのことを愛していたのだろう。
刑事は子を思う母の気持ちに胸を打たれ、涙を浮かべながらつぶやいた。
「台所で死に際のメッセージを残すとは……これぞ本当の、ダイニングメッセージ」
ミステリー・推理
公開:20/01/11 07:28

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