母と娘
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シーツに日本地図を書いてしまったときのことはよく覚えていない。ただ、恥ずかしくて泣いたことは覚えている。
「大丈夫よ」
母は笑ってそういった。
転んで膝を擦りむいた。家に帰るとすぐに消毒をしてくれた。その消毒が転んだときよりも痛くて、わんわん泣いた。
「大丈夫よ」
母は優しく笑った。
今日、母はシーツに日本地図を書いた。涙をいっぱいためて、私に謝った。
「大丈夫だよ!」
私は答えた。
その日本地図が原因で母は心を擦りむいた。ベッドで密かに泣く母を抱きしめ、心の消毒をする。その消毒がより一層痛かったのかもしれない。肩に母の涙を感じた。
「大丈夫だよ」
母に育てられ、母を目指して生きている。何があっても「大丈夫よ」と繰り返した母を、同じ言葉で包みたい。娘が私でよかったと、母を選んでよかったと、互いに心から思えるように、言葉の魔法を使っていこう。大丈夫よ、大丈夫だよ、私。
「大丈夫よ」
母は笑ってそういった。
転んで膝を擦りむいた。家に帰るとすぐに消毒をしてくれた。その消毒が転んだときよりも痛くて、わんわん泣いた。
「大丈夫よ」
母は優しく笑った。
今日、母はシーツに日本地図を書いた。涙をいっぱいためて、私に謝った。
「大丈夫だよ!」
私は答えた。
その日本地図が原因で母は心を擦りむいた。ベッドで密かに泣く母を抱きしめ、心の消毒をする。その消毒がより一層痛かったのかもしれない。肩に母の涙を感じた。
「大丈夫だよ」
母に育てられ、母を目指して生きている。何があっても「大丈夫よ」と繰り返した母を、同じ言葉で包みたい。娘が私でよかったと、母を選んでよかったと、互いに心から思えるように、言葉の魔法を使っていこう。大丈夫よ、大丈夫だよ、私。
その他
公開:20/01/10 18:15
むかし話、おとぎ話が小さい頃から大好きです。
誰かの目に留まるような物語が書けるように頑張ります!
コメントや☆をつけてくださる方、本当にありがとうございます。嬉しいなぁ、幸せだなぁと心から思いますm(_ _)m
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