僕の使命と成人の覚悟

6
5

それは僕が20歳の誕生日のことだった。引きこもりで大学受験もせず、もちろん働きもせず、無駄に人生を消費していた時、母が部屋にやってきた。

「おとうさんからの大切なメッセージがあるの。だからどうか観てちょうだい。」

父は僕が17歳の時に交通事故で亡くなっていた。その保険金や損害賠償金で生活に不自由はなかった。そんな父からのビデオレターだ。

「残念ながら直接伝えられなかったが、お前は重要な使命を持っている。実はお前の孫がタイムトリップして我が一族の先祖になるのだ。そのことを、代々言い伝えとして息子が成人の誕生日に告げることになっている。」

にわかに信じられなかった。彼女もいない僕に孫? 引きこもりにどんなチャンスがある? 話が真実なら僕にも結婚相手ができるということなのだが。

しかし、僕は思った。自分のような劣性遺伝子を残していいのか?

突然の告白に衝撃を受け、僕は部屋から出た。
ファンタジー
公開:20/01/13 07:00
更新:20/01/12 18:49
252 成人 引きこもり タイムトリップ 決断 彼はどっちを選んだのか

武蔵の国のオオカミ( ここ、ツイッタランド、タイッツー )

武蔵の国の辺境に棲息する“ひとでなし”のオオカミです。

ツイッター
https://mobile.twitter.com/ookami1910
タイッツー
https://taittsuu.com/users/ookami1910/profiles

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容