感知センサー 寒(250作品目記念)

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ソファーに仰向けに横たわりノートパソコンをお腹に載せ作品を書こうとしていた。暖房は電気セラミックファンヒーターだけ。人体感知センサーがあるとかで、特定時間が過ぎると切れ、前で何かの動きがあるとまたスイッチが入るという優れもの。

毛布を一枚かけ、とにかく何かを書こうとするがまるで思い浮かばず、いつの間にかうとうとしていた。寝返りを打ったり立て膝をしたりするとカチっという音が聞こえてファンが回り出す。それを何度も繰り返しながら夢を観ていた。

つらいことも多かったなあ。なんで作品が売れないんだろう。才能ないのかな。もうやめてしまおうか。などと目を閉じてうつらうつらしていると、立てた右膝にさわるものがある。柔らかくて毛がふわふわのそれは、直感的に、死んだ猫の前足だと思った。

そっかそういうことか。

それ以降、どれだけ動いたつもりでも、ファンヒーターのセンサーは反応しなくなった。
ホラー
公開:20/01/12 07:00
更新:20/01/20 20:38
250 セラミックファンヒーター 人体感知センサー

武蔵の国のオオカミ( ここ、ツイッタランド、タイッツー )

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