密室殺人/消えた指紋の謎 告白(完)

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男の妻はうなだれた。
「もう隠しても意味がありません、ね」
彼女は目に涙を浮かべ、語り出した。
「貧しい母子家庭だった私は、この子を育てるために、再婚の申し出を受けました。でも、私の前夫を殺したのはこの男だと、私は偶然にも知ってしまったのです。私はそんな男と結婚してしまった己の愚かさを呪いました」
「それが殺害の動機ですか」
女刑事の冷たい声に、妻は小さく頷いた。
「はい……」
彼女は涙を流し、そっと犬と一緒に息子を抱き寄せる。
「全部知っていたのね。パパを殺害するために、ママがずっと犬の訓練をしていたことを……」
母に問われても男の子は静かに黙っていた。
何も答えず、ただ唇を噛みながら、母を見つめ返している。
「ごめんなさい……。本当に、ごめんなさい……」
母は幼い我が子にすがるようにして、泣き崩れた。


消えた指紋の謎/END
ミステリー・推理
公開:20/01/11 13:02
密室殺人 指紋 女刑事

水素カフェ( 東京 )

 

最近は小説以外にもお絵描きやゲームシナリオの執筆など創作の幅を広げており、相対的にSS投稿が遅くなっております。…スミマセン。
あれやこれやとやりたいことが多すぎて大変です…。

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