愛しい空

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『もしもし?今、ちょっとだけ、いいですか?』

「大丈夫だよ。何か?」

最近よく話すようになった彼から突然の電話。
正直、今日はあまり人と話す気分ではなかったが…

今夜は冷えるのに、まだ街中にいるのだろうか。
騒がしい音が後ろからきこえてくる。

『え、あ、えーと…月が! 月が大きく見えるので…』

何も考えていなかったような、そんな声音だったが、とにかく一生懸命に何か伝えようとしている。

「へぇ…ちょっと待って。今、見てみるー」

普段は私も気にもとめないのだけど。
ふふふ。
意外な一面。

『もう家ですか?』

「そう!今日は早く帰れたから…おー!なんか大きく見えるね!」

『でしょ!!』

他愛もない会話は続き、いつの間にか気も晴れていることに気づく。
まっすぐにさしこむ月の光は、不思議とあたたかく、また、なんだか不器用で。
ぎゅと抱きしめたい衝動をクッションにぶつけた。
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公開:20/01/08 22:32

恵み( 東京/福岡 )

生き物を眺めて、本能を眺めるのが好き。
一生懸命な人を応援したい。
やりたいと思うことはたくさんあるけど、実行できないまま月日が過ぎて、そろそろ恐ろしいです。
第一歩、ということで書いてます。
ほめてのびるタイプです、ふふふ。

☆2020年目標☆
週1投稿!!
自分なりに奮闘中!
今のところ、水曜日にそーっと勝手にお届けしております。
遅れてたら微笑んでください…

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