ライフゲーム

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『人生なんてクソゲーだ』
 その少年の口癖でもあった。
 黄昏の帰り道。地面に転がる少年の汚れた鞄。
 彼は悔し涙を流し今日もそれを呟いた。
「でもシナリオは素晴らしい」
 目の前に見知らぬ老紳士が立っていた。
「懐かしい所だったのでね」
 周囲を眺め老紳士は言葉を続ける。
「辛い展開も、報われない頑張りも、沢山あったよ。
 ただそれは数年、数十年後へのフラグだった」
 老紳士は黙り込む少年の鞄を拾い上げると手渡した。
「『          』。
 私はこの言葉を信じて後悔はなかった」
 老紳士に押され少年は夕暮れの歩道を歩き出す。
 伸び上がった二つの影が徐々に離れていく。
 少年はふいに振り返る。
 見慣れた道しかなかった。
 ただ遠く。暗闇が降りる中、まだ夕日は輝いていた。
ファンタジー
公開:20/01/08 21:55
更新:20/01/08 21:56

ルイス足永( 関東 ケヤキの葉の上 )

ルイス足永(アシナガ)と申します。
普段はニコニコ静画に画像付きの作品を転がしています。
こちらにも載せれそうな作品の投稿をしたいと思います。
twitter:https://twitter.com/otoshibumi57
ニコニコ静画:http://seiga.nicovideo.jp/clip/2497487

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