何でも持っている木下君
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木下君はいつもリュックを背負っている。
ある日、会社の同僚と駅のホームで電車を待っていると、同僚が自分の指を苦々しく見つめていた。
「爪を切ってくるのを忘れたなぁ」
「あ、じゃあ貸しますよ」
木下君はすぐにリュックから小さな爪切りを出す。
「なんでこんなもの持ってるのさ?」
「いつも持ってるんです。僕もたまに忘れるから。爪が伸びてると一日中落ち着かないんですよねぇ」
「はは。まぁな、髭の剃り残しとかも……」
同僚は苦笑いをして顎の下を撫で回すと、ふと不快な顔をした。
「あ、剃り残しありました? じゃあ、これも貸しますよ」
木下君はすぐにリュックから電動シェーバーを取り出す。
「なんで常備してるんだよ」
「だって……」
「お前さすがに替えのスーツは持ってないよな? 俺の皺だらけなんだけど」
木下君はにっこりと、リュックからアイロンを取り出した。
「そっちかよ! だから、なんで持ってるの!?」
ある日、会社の同僚と駅のホームで電車を待っていると、同僚が自分の指を苦々しく見つめていた。
「爪を切ってくるのを忘れたなぁ」
「あ、じゃあ貸しますよ」
木下君はすぐにリュックから小さな爪切りを出す。
「なんでこんなもの持ってるのさ?」
「いつも持ってるんです。僕もたまに忘れるから。爪が伸びてると一日中落ち着かないんですよねぇ」
「はは。まぁな、髭の剃り残しとかも……」
同僚は苦笑いをして顎の下を撫で回すと、ふと不快な顔をした。
「あ、剃り残しありました? じゃあ、これも貸しますよ」
木下君はすぐにリュックから電動シェーバーを取り出す。
「なんで常備してるんだよ」
「だって……」
「お前さすがに替えのスーツは持ってないよな? 俺の皺だらけなんだけど」
木下君はにっこりと、リュックからアイロンを取り出した。
「そっちかよ! だから、なんで持ってるの!?」
その他
公開:20/01/08 19:31
木下君
男の身なりは大切
最近は小説以外にもお絵描きやゲームシナリオの執筆など創作の幅を広げており、相対的にSS投稿が遅くなっております。…スミマセン。
あれやこれやとやりたいことが多すぎて大変です…。
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