手術を受けた爺ちゃん

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膝が痛い膝が痛いとぼやいていた爺ちゃんが手術を受けた。
手術は簡単なもので爺ちゃんはすぐに戻って来たけどやっぱり膝が痛い膝が痛いとぼやいていた。手術、失敗したのかな?
ある夜、僕が爺ちゃんと寝ていたら地震が起こった。そのせいで停電して、周りは真っ暗で凄く心細かった。
「儂に任せろ!」
爺ちゃんは立ち上がると膝をパキッと折り曲げた。すると爺ちゃんの膝が光を放った。
「どうじゃ!関節照明じゃ!」
爺ちゃん、凄ぇ!
爺ちゃんの明かりに家族皆が集まってきた。
外を見ると近所の婆ちゃんの肘や裏の家の爺ちゃんの腰も光っていて、同じように皆を導いていた。
「歳を取るとな、有事の際一人で逃げ切れん時がある。その為、儂らは関節照明手術を受けたんじゃ。さ、儂の光を使って避難所に急いでくれ!」
父ちゃんが爺ちゃんを背負った。周りの大人達も爺ちゃん婆ちゃんを背負っている。皆、関節照明老人を背に避難所に向かった。
SF
公開:20/01/08 18:55
更新:20/01/08 19:14

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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