視力
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俺は子どもの頃は視力がよかった。でもいまはもうそこまででもない。眼鏡をかけるほどでもないが、妻のほうが遠くの文字まで見えたりする。
でも視力なんてそこまでよくなくてもいいのかもしれない。どうでもいい細かいところまで見えてしまう。視力に限らずとも、もっと若い頃はなにもかもが鋭敏だった。それも最近は鈍麻された。
ある日小指の爪が剥がれそうになっているのに気がついた。痛みはないが、このまま剥がれても困るだろう。俺はテーピングで固定して巻いておいた。俺は痛みにまで鈍くなったんだろうか。そうだ、心の痛みさえも。
唐突に妻に言われた。
「離婚してほしい」
と。俺の生活態度などが原因だった。思い当たるふしはいろいろあった。でも俺はなにも感じなかった。相手の心の痛みもよくわからなかったし、気づかなかった。視力なんてやっぱりよすぎないほうがいい。いろんな粗まで見えてしまうから。
でも視力なんてそこまでよくなくてもいいのかもしれない。どうでもいい細かいところまで見えてしまう。視力に限らずとも、もっと若い頃はなにもかもが鋭敏だった。それも最近は鈍麻された。
ある日小指の爪が剥がれそうになっているのに気がついた。痛みはないが、このまま剥がれても困るだろう。俺はテーピングで固定して巻いておいた。俺は痛みにまで鈍くなったんだろうか。そうだ、心の痛みさえも。
唐突に妻に言われた。
「離婚してほしい」
と。俺の生活態度などが原因だった。思い当たるふしはいろいろあった。でも俺はなにも感じなかった。相手の心の痛みもよくわからなかったし、気づかなかった。視力なんてやっぱりよすぎないほうがいい。いろんな粗まで見えてしまうから。
その他
公開:20/01/08 17:10
Senoku ALMA
https://note.com/shiro_mid
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