風見先生の国語実践3

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 今日はお外で友達と遊んでいたのだけど、悠斗くんが私のイヤホンを引っ張ってブチッとなった。大切にしていたイヤホンなのに……!
 憤懣やるかたない私は、家に帰ってきて、悠斗くんがどれだけヒドい奴か、ママにさんざん説明した。
 すると居間で茶を啜っていた先生が「どれ、吾輩に貸してごらんなさい」と言った。もしかして直せるの? と淡い期待を抱き、私は怒りでぐちゃぐちゃに丸めてしまったイヤホンをポケットから出して先生に渡した。
 先生はすっかり千切れたイヤホンを見て眉をひそめた。
 それから真面目な顔で丁寧に絡まった部分をほどきはじめる。
「何してるの?」
「許す、とは元々ゆるめる、ということ。心を少しだけゆるめてみるとよろしい」
 一本の線になったイヤホンを私に返すけど、千切れたところは直ってない。
 風見先生は澄まし顔で茶を啜る。
 やっぱり胡散臭いおじさん、と私は思いながら少し口元をゆるめた。
青春
公開:20/01/10 08:29
風見先生 国語実践シリーズ 「ゆるす」の語源は「ゆるめる」

水素カフェ( 東京 )



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小説のジャンルとしては、ミステリやホラーを目指していますが、
ここではあまりこだわらずに書いてみようと思っています。

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