変電所敷地内の送電鉄塔の下に首が置かれていた経緯など

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 台地の斜面を這い上がる、古い新興住宅地の九十九折れを、裏鬼門からの風速35mに煽られて転げ上っていく一つの首がある。月齢13.9を隠していた雲が風に吹き払われ、その首が照らされるかと思われるたびに新たな雲が飛んできては月を覆ってしまうので、明滅する星明りの下、その首はついに影を結ぶことはない。
 その坂道は、上りきった所で直角に折れ、すれ違い不可能な砂利の道となって、梅林と竹林との間を800m程鬼門へ進んだ先で尽きる。首は坂の上の直角カーブを曲がり切れずに、そこにある変電所のフェンスを突き破って、高さ55mの送電鉄塔の脚にぶつかって跳ね飛ばされて止まる。坊主頭の首はきちんと立っていて、顔は無念さに歪んでいた。
 その時、変電所の向かいにある茶畑へ至る小径に、部活帰りの高校生の男女が時を惜しんで睦み合っていた。周囲に低周波の咆哮がこだまする。
 首は、かつて密通した僧侶の首であったという。
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公開:20/01/09 14:26
更新:20/01/09 18:58

新出既出20( 浜松市 )

新出既出です。
twitterアカウントでログインしておりましたが、2019年末から2020年年初まで、一時的に使えなくなったため、急遽アカウント登録をいたしました。過去作は削除してはおりませんので、トップページの検索窓で「新出既出」と検索していただければ幸いです。新出既出のほうもときおり確認したり、新作を挙げたりします。どちらも何卒よろしくお願いいたします。
自己紹介:「不思議」なことが好きです。

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