よくできました。

新年を迎えると、私はいつも新しいブラジャーを買う。そしてカップの内側にそのときの思いを油性ペンで書く。それが私の書き初めだ。
今年は戦争反対を強く思い、ついカップの表側に書いてしまった。左のカップに「戦争反」、右のカップに「対！！」と。
おろしたての萌黄色のブラジャーがその素材の良さや美しいフォルムを台無しにして私の気持ちを代弁している。
今日は暮れに出会った彼とはじめてのデートがある。脱ぐ予定はないけれど、夜の流れなんて誰にもわからない。私には些細な挑発で関係を台無しにした過去がある。言葉遊びが発展して必要のない関係を結んだこともある。何が起きても不思議はない。恋も戦争も動物のギラつきなのだから。
そして案の定、いや予定より早く、彼が私の十二単を脱がしはじめた。冬の恋は大変だ。剥いても剥いても続く脱衣。
彼は私の書き初めに赤い筆で二重丸のお花を描いてくれた。
だから私は彼を抱いた。強く。