男の国

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 俺は男の国へ転送された。この国では罪人はよその星の国へ転送されるのだ。つらい。マジで男しかいない。ホモだったらいいのかもしれないが、ホモの罪人はこんな国へは送られないだろう。ここで数十年強制労働させられるんだ。カイジかよ。しかも男の同居人があてがわれる。つらい。


 俺の同居人はあれだ、フレディ・マーキュリーをもっとごつくした感じの男だ。つらい。しかもやたらべたべたしてくる。ホモなんだろうか。そもそもこいつは転送組ではないのだろう。原住民ってとこか。つらい。


「いってらっしゃい♡ はいっ! お弁当」
「……ありがとう」


 弁当はマジで美味かった。フレディか……あいつも結構いいやつだ。悪くないかもしれない。


 そして数十年経ち、俺は刑期を終えた。でもフレディは俺のもといた国へ連れていく。なぜなら愛しあってるからだ。愛の尊さを俺はフレディで知った。ありがとう、男の国。
その他
公開:20/01/07 21:48
更新:22/09/07 13:44

千億アルマ( Tokyo, Japan )

Senoku ALMA
https://note.com/shiro_mid

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