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 ある日、人差し指に「目」ができた。最初は切り傷だった。あるとき、ゆっくりとそれは開いた。透き通った、翠の瞳。


 俺はそれに名前をつけた。アイ。eyeだ。目薬なんか挿してやると気持ちよさそうに瞬きする。俺は秘密の宝石を持った気分になった。


 俺には新しく彼女ができた。名前は亜衣。アイは目を開けなくなった。不貞腐れているように。


 亜衣を抱いた夜。アイは久々に目を開いた。赤い、赤い眼だ。気がつくと亜衣の遺体が目の前に横たわっている。俺が首を絞めたのか。嘘だろう? これはアイがやったんだ。でも人差し指はもうもとの切り傷に戻っていた。
ホラー
公開:20/01/07 20:16

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