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「姫様!どこです?お勉強の時間ですよ!」
ばあやの声が近づいてきた。
私はアクセルを全開にすると機械仕掛けの猫にまたがり外へと飛び出した。
背後から憲兵隊が私を連れ戻す為に機械仕掛けの犬にまたがり追って来る。
平地なら犬の方が速いが険しい山々に入ってしまえば身軽な猫の方が有利に決まっている。
私はひょいひょいと岩山を飛び移って先に先にと進んでいく。
背後から「姫!おやめください!」と注意を促す声が聞こえるがお構いなしだ。
排気口から煙が尻尾のようにゆらゆらと立ち昇る。それを目印に憲兵隊が追って来る。捕まえられるものなら捕まえてみなさい。
一足早く山頂に辿り着いた私はその身いっぱいに風を受ける。凄く気持ちいい。
暫くそうしていると背後から一人の憲兵隊がやって来た。
「姫、もう帰りますよ」
私は彼にもう少しだけ、と頼んだ。
だって大好きな幼馴染の彼と一緒にいられる場所はここしかないんだから。
SF
公開:20/01/07 18:33

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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