10
10
プリントの束を抱えてチカちゃんが階段を下りてきました。ランドセルに付いている鈴がチリンと鳴ります。
チカちゃんは首を振り、私はため息をつきました。
そうこうしているうちに夕食が用意できましたからチカちゃんにも食べて帰るよう伝えました。夕食をお盆に乗せ私は階段を上がります。
「ここに置いておくからね」
扉の向こうから返事が返ってくることはありません。しかしながら今日は微かに声が聞こえたのです。呪文を唱えるように同じ言葉を呟く声が。
久しぶりに声を聞けたものですから、私は嬉しくなり階段を駆け下りました。新たに夕食を用意して大急ぎで扉の前に戻ってきました。
「ここに置いておくからね」
私が立ち去るまで扉が開くことはないでしょう。
私は台所に戻り後片付けを始めます。ごみ袋を持ち上げるとチリンと鈴の音が鳴りました。やはり美しい音です。
息子の声も聞けましたからとても良いお正月になりました。
チカちゃんは首を振り、私はため息をつきました。
そうこうしているうちに夕食が用意できましたからチカちゃんにも食べて帰るよう伝えました。夕食をお盆に乗せ私は階段を上がります。
「ここに置いておくからね」
扉の向こうから返事が返ってくることはありません。しかしながら今日は微かに声が聞こえたのです。呪文を唱えるように同じ言葉を呟く声が。
久しぶりに声を聞けたものですから、私は嬉しくなり階段を駆け下りました。新たに夕食を用意して大急ぎで扉の前に戻ってきました。
「ここに置いておくからね」
私が立ち去るまで扉が開くことはないでしょう。
私は台所に戻り後片付けを始めます。ごみ袋を持ち上げるとチリンと鈴の音が鳴りました。やはり美しい音です。
息子の声も聞けましたからとても良いお正月になりました。
ホラー
公開:20/01/07 16:49
書いたり喋ったりする金髪ギャルのひとです。時空モノガタリ出身。
■Twitter(@teloivxijor)
https://twitter.com/teloivxijor?s=09
■菫永 園の踊らないラジオ
https://radiotalk.jp/program/49880
ログインするとコメントを投稿できます