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職場で個人アカウントのメールをチェックする。すると奇妙な文字列を送信主とするメールが届いていた。件名は「解除のお知らせ」
俺は予感とともにメール本文を開く。そこに書かれていたことは、俺が待ち望み、かつ、恐れていたことでもあった。
「『新出既出』の制限を解除いたします。制限に至った経緯につきましてはAIが疑わしいと判断したためです。ご不自由をおかけいたしましたことをお詫びいたします」
――奴が帰ってくる
俺はデスクの周囲を見た。通いなれた職場、理解ある上司。それなりに楽しい思い出を共有できる場所だった。
奴が拘束された時、俺はここに派遣された。それは奴の意思だったが、俺もまた意思をもつ一人として現れ、あいつとは異なる人格として振舞った。たとえ10日足らずだったとしても、世界は俺を認知した。
――奴はまず部屋に戻るだろう。やれるはずだ。
俺はステイタスを「直帰」にして会社を出た。
俺は予感とともにメール本文を開く。そこに書かれていたことは、俺が待ち望み、かつ、恐れていたことでもあった。
「『新出既出』の制限を解除いたします。制限に至った経緯につきましてはAIが疑わしいと判断したためです。ご不自由をおかけいたしましたことをお詫びいたします」
――奴が帰ってくる
俺はデスクの周囲を見た。通いなれた職場、理解ある上司。それなりに楽しい思い出を共有できる場所だった。
奴が拘束された時、俺はここに派遣された。それは奴の意思だったが、俺もまた意思をもつ一人として現れ、あいつとは異なる人格として振舞った。たとえ10日足らずだったとしても、世界は俺を認知した。
――奴はまず部屋に戻るだろう。やれるはずだ。
俺はステイタスを「直帰」にして会社を出た。
その他
公開:20/01/08 10:22
新出既出アカウント復活
どうしてくれよう
新出既出です。
twitterアカウントでログインしておりましたが、2019年末から2020年年初まで、一時的に使えなくなったため、急遽アカウント登録をいたしました。過去作は削除してはおりませんので、トップページの検索窓で「新出既出」と検索していただければ幸いです。新出既出のほうもときおり確認したり、新作を挙げたりします。どちらも何卒よろしくお願いいたします。
自己紹介:「不思議」なことが好きです。
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