三日坊主と召喚くじ(三十一)
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声なのか咆哮なのか、表記出来ない音を発し、晴人が猛り狂う。
「――臨!兵!闘!者!」
狐憑きの触手が鎖に変わり、晴人を縛る。
「皆!陣!『烈』!在!前!」
これが本来の『俺』の九字だ。意味は判らないが解った。道満は法師――陰陽道でなく、仏道の九字を使うべき者。
「――破!!」
夜空の星が残らず流れて消えた。消えたのに、俺には全部見えた。
晴人が腕を振り回し、鎖を引き千切って突進する。駄目だ、聞く耳が無いんだ、閉じてる奴には通じない。
「ったく、世話焼かせやがる」
一海が笑った。
「貸しはでけぇぞ。……こっちだ晴人!」
一海、まさかお前――
ひょい、と。足を引っ掛けられた。
「え?……わ、ちょ…っとま、、、」
――――うちゅ。
や、柔らかい……?
「満さま……」
お。俺の名前。妙なところに妙に反応して、一気に心臓がバクバクした。
ピシッ。晴人が石化し、ざらざらざら――っと砂になった。
「――臨!兵!闘!者!」
狐憑きの触手が鎖に変わり、晴人を縛る。
「皆!陣!『烈』!在!前!」
これが本来の『俺』の九字だ。意味は判らないが解った。道満は法師――陰陽道でなく、仏道の九字を使うべき者。
「――破!!」
夜空の星が残らず流れて消えた。消えたのに、俺には全部見えた。
晴人が腕を振り回し、鎖を引き千切って突進する。駄目だ、聞く耳が無いんだ、閉じてる奴には通じない。
「ったく、世話焼かせやがる」
一海が笑った。
「貸しはでけぇぞ。……こっちだ晴人!」
一海、まさかお前――
ひょい、と。足を引っ掛けられた。
「え?……わ、ちょ…っとま、、、」
――――うちゅ。
や、柔らかい……?
「満さま……」
お。俺の名前。妙なところに妙に反応して、一気に心臓がバクバクした。
ピシッ。晴人が石化し、ざらざらざら――っと砂になった。
ファンタジー
公開:20/01/08 01:03
創樹(もとき)と申します。
葬祭系の生花事業部に勤務の傍ら、物書きもどきをしております。
小石 創樹(こいわ もとき)名にて、AmazonでKindle書籍を出版中。ご興味をお持ちの方、よろしければ覗いてやって下さい。
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ベリーショートショートマガジン『ベリショーズ』
Light・Vol.6~Vol.13執筆&編集
他、note/monogatary/小説家になろう など投稿サイトに出没。
【直近の受賞歴】
第一回小鳥書房文学賞入賞 2022年6月作品集出版
愛媛新聞超ショートショートコンテスト2022 特別賞
第二回ひなた短編文学賞 双葉町長賞
いつも本当にありがとうございます!
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