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学校の帰り道、花子は自分のランドセルと同じ赤い郵便ポストの陰で、息を潜めた。その視線の先に、一羽の黒いカラス。カラスは植え込みの土に頭を突っ込んで、穴を掘っていた。
花子は先生に聞いた話を思い出していた。カラスは光る物が好きで、人の子供の目を狙う。賢くて、傷つければ顔を覚えて仲間と一緒に仕返しにくる。
カラスが穴から顔を出すと、黒い頭はすっかり毛が抜けて、まるで人の顔に見えた。お墓を掘る悪魔のような不気味さに、花子はますます怯え、動けなくなった。
ア゛ッ、ア゛ッ、ア゛ッ
カラスが真っ黒な翼を広げて笑った。花子が泣きたくなって母を想うと、突然ポストの中から女の人が現れて、花子の頭を撫でた。優しそうなおばさん、と花子は思った。
「ふふ、おばさんはやめなさい」
女はカラスを捕まえると、バリバリと両の翼をもいで自分の目に着けた。
「あ、魔女のお姉さん!」
カラスはこの街に住む魔女のつけ睫毛だった。
花子は先生に聞いた話を思い出していた。カラスは光る物が好きで、人の子供の目を狙う。賢くて、傷つければ顔を覚えて仲間と一緒に仕返しにくる。
カラスが穴から顔を出すと、黒い頭はすっかり毛が抜けて、まるで人の顔に見えた。お墓を掘る悪魔のような不気味さに、花子はますます怯え、動けなくなった。
ア゛ッ、ア゛ッ、ア゛ッ
カラスが真っ黒な翼を広げて笑った。花子が泣きたくなって母を想うと、突然ポストの中から女の人が現れて、花子の頭を撫でた。優しそうなおばさん、と花子は思った。
「ふふ、おばさんはやめなさい」
女はカラスを捕まえると、バリバリと両の翼をもいで自分の目に着けた。
「あ、魔女のお姉さん!」
カラスはこの街に住む魔女のつけ睫毛だった。
ファンタジー
公開:20/01/05 23:25
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