三日坊主と召喚くじ(十五)
4
6
三分くらい気絶したと思う。
ゆさゆさ揺すられて目を開けると、お座り闇狛のどアップ。
「うわ闇狛!無事か、良かった」
『取ってこい』状態。尻尾を振り振り、札を咥え待機。骨(人)の破片も挟まっているが、追求すまい。札を受け取って鼻面を撫でてやると、盛大にべろんされた。石なので痛い。
「……お前なぁ。いきなり最終奥義とか反則」
「一海!……何か光ってるぞ?」
宇宙ヒーローのタイマーみたいに、一海の周りが点滅している。
「光明真言の反動。お前が逆真言かますから、相殺すんのに力使い果たした。今年はここでリタイアだな」
「ギャクシンゴン?かますも何も、あれはお守りが……」
「力のない奴が持っても、ただの紙切れだよ。それどころか、この『場』に入る事すら出来ない」
晴人の声。凍った剃刀が首筋を撫でる様な。
敵意――いや殺意に近い。
「自分でも気付いてるんでしょ、満君?」
言い訳しようにも、その通りだった。
ゆさゆさ揺すられて目を開けると、お座り闇狛のどアップ。
「うわ闇狛!無事か、良かった」
『取ってこい』状態。尻尾を振り振り、札を咥え待機。骨(人)の破片も挟まっているが、追求すまい。札を受け取って鼻面を撫でてやると、盛大にべろんされた。石なので痛い。
「……お前なぁ。いきなり最終奥義とか反則」
「一海!……何か光ってるぞ?」
宇宙ヒーローのタイマーみたいに、一海の周りが点滅している。
「光明真言の反動。お前が逆真言かますから、相殺すんのに力使い果たした。今年はここでリタイアだな」
「ギャクシンゴン?かますも何も、あれはお守りが……」
「力のない奴が持っても、ただの紙切れだよ。それどころか、この『場』に入る事すら出来ない」
晴人の声。凍った剃刀が首筋を撫でる様な。
敵意――いや殺意に近い。
「自分でも気付いてるんでしょ、満君?」
言い訳しようにも、その通りだった。
ファンタジー
公開:20/01/05 22:06
創樹(もとき)と申します。
葬祭系の生花事業部に勤務の傍ら、物書きもどきをしております。
小石 創樹(こいわ もとき)名にて、AmazonでKindle書籍を出版中。ご興味をお持ちの方、よろしければ覗いてやって下さい。
https://amzn.to/32W8iRO
ベリーショートショートマガジン『ベリショーズ』
Light・Vol.6~Vol.13執筆&編集
他、note/monogatary/小説家になろう など投稿サイトに出没。
【直近の受賞歴】
第一回小鳥書房文学賞入賞 2022年6月作品集出版
愛媛新聞超ショートショートコンテスト2022 特別賞
第二回ひなた短編文学賞 双葉町長賞
いつも本当にありがとうございます!
ログインするとコメントを投稿できます