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砂漠で倒れそうになっていた俺の前に、アイツは現れた。
「水、ほしいか」
水の入ったコップを差し出してきた。
「ありがとうございます。いただきます」
「10万円」
「えっ」
「無料なわけないだろ。20万円だ」
「ちょっと待ってください。いくらなんでも高すぎます」
「50万円」
「そんな大金持ってないです」
「あとで銀行に行けばいい。100万円」
男は冷酷だった。
「分かりました。最初の、10万円で買います」
「今は200万だ。もう10万には戻れない」
「嘘でしょ、あのとき買っておけば……」
「どんな気持ちだ」
「あの頃に戻りたい」
「無理だ。500万」
「ひどい」
「水がなければお前は死ぬ。命と比べれば高いものなんてない」
「たしかにそうだ。よし、買います。500万で」
「今の値段は500万じゃない。10億だ」
「たっか!」
こうして俺は死んだ。
いいか、みんな。水は飲めるときに飲んでおけ。
「水、ほしいか」
水の入ったコップを差し出してきた。
「ありがとうございます。いただきます」
「10万円」
「えっ」
「無料なわけないだろ。20万円だ」
「ちょっと待ってください。いくらなんでも高すぎます」
「50万円」
「そんな大金持ってないです」
「あとで銀行に行けばいい。100万円」
男は冷酷だった。
「分かりました。最初の、10万円で買います」
「今は200万だ。もう10万には戻れない」
「嘘でしょ、あのとき買っておけば……」
「どんな気持ちだ」
「あの頃に戻りたい」
「無理だ。500万」
「ひどい」
「水がなければお前は死ぬ。命と比べれば高いものなんてない」
「たしかにそうだ。よし、買います。500万で」
「今の値段は500万じゃない。10億だ」
「たっか!」
こうして俺は死んだ。
いいか、みんな。水は飲めるときに飲んでおけ。
ファンタジー
公開:20/01/05 21:47
おっさんになりましたが、夢は追い続けます
「小説は短く、人生は永く」
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