帰省のお正がちゅー

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息子夫婦が帰ってくる正月休み。年1回の待ちに待った機会だが、お嫁さんが…
団らん中も啄木鳥みたいにスマホを突ついて、会話は後回し。朝は息子と同じぐらい寝坊。洗濯物は洗濯機にちゃっかり放り込んでて、洗うのも干すのも取り込むのも私。
料理もおいしいと食べてくれるけど、掃除も炊事も洗い物もぜーんぶ私。余所の台所は勝手が違うとは言うけど、「手伝いましょうか」の一言もない。図太いというか、厚かましいというか。

明け方、万力みたいな締め付け感に襲われた。二つの目が怪しく光る。お、重い!何が乗っかって…
―お前か、嫁に文句たらたらの姑は。息子は寝坊してよくて、嫁はいかんという根拠は何だ。二人はテーマパークや旅行に行きもせんと、帰ってきてるんじゃぞ。顔が見られることに感謝せんか。二人の仲がいいのが何よりじゃろうが、自己チューめ。

不意に壁掛けの七福神に微光が差した。大黒天様が微笑んだ。
その他
公開:20/01/05 21:00
更新:20/01/05 21:16
正月 大黒天の使徒は鼠 美容師さんに聞いた話 2020年 帰省あるある? 嫁が君は鼠の異称

こぶみかん( 関西 )

ssの庭に迷い込んだこぶみかん。数々のお話の面白さに魅せられ、通い始めた。
気が付いたら、庭の片隅に挿し穂されていた。
いつか実を結ぶまでじっくり育つといいね。

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