三日坊主と召喚くじ（十三）

結界を張るのに式神を解いていたらしく、闇狛にもろ撥ねられた晴人本体は、人間大砲並みの加速で空中移動、闇狛のハウス（台座・石製）に着弾した。ドッゴーン！！とおよそ生身とは思えない音で台座が瓦礫と化し、晴人ダウン（なぜ原型を保てるんだ……）。
「グゥア～ウグゥ！」
心なしか『ざまあ見ろ』と聞こえる。闇狛、俺も同感だが、このタイミングであってほしくなかった。魔導書使いの背後の雪崩は、雪津波と呼んだ方が適切な大きさに達している。
「闇狛…大丈夫。多分だいじょ……」
「ウァン？」
首を傾げられた……。はたはた振る尻尾は、イエスかノーか微妙だが、俺的には死亡フラグ臭しかしねぇ！
「Ultima Risorsa!!!」
ドラゴンがビーム放射、雪津波が俺と闇狛目掛けて一気にアタック！
――死ぬ。これマジで本気で真剣に完璧に死ぬ！！

『ウン・ヤタリバラハ・ラバジン』
握り締めたお守りが、ビリリッと震えた。