不思議な美容室

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美容室へ行ったときのことだ。

私はヘアカタログの中から1つを選び、このようにしてくれと頼んだ。美容師は「分かりました。少々お待ちください」と言って店の奥へ行き、そのまま戻ってこなかった。

このような事態を想定し、私はプルーストの『失われた時を求めて』を持ってきていた。1巻から読み始め、1か月ほどかけて全巻を読み終えた。読み終えると私はもう一人の美容師に、先ほどの美容師はどうしたのかと尋ねた。

美容師は「彼は先週辞めましたよ」と答えた。

私は、それなら仕方ありませんねと言って店を出た。そして古本屋に寄って読み終えた本を売り、そのまま家に帰った。
ファンタジー
公開:20/01/05 16:49
更新:20/02/08 17:18

meerkat( 石や岩の多い荒地やサバンナ )

シュール・不条理・ナンセンス

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