三日坊主と召喚くじ(二十)

6
6

「あれ、二人とも知り合い?」
「めちゃめちゃ初対面だよ」
泰山府君に『ご主人様』呼ばわりされた俺は、全力で首を横にした。くじ運最強凡人(仮)の俺に、神様のメイドなんていない。ましてやホーム扱いされるいわれは断じてない。
「知り合いではなく、主人です」
「ガウ!」
泰山府君が断言し、闇狛まで頷いた。
「泰山府君…様でいいのか、失礼ですけど、俺は貴方の主人じゃ……」
「……酷い。二世を誓った妻に向かって……!」
「つ…妻ぁぁぁ!!?」
晴天の霹靂。『主人』って、そっちの主人!?
「マジか満、お前結婚してたの?水臭ぇな早く言えよ」
「誓ってないし結婚もしてない!俺は高二の十七歳だ!!」
「前世からの事実婚です。ね、闇狛」
「アンッ♪」
駄目だ話にならない。
「何言ってるの?そんなわけないでしょ」
「晴人!頼む助けてくれ」
「このクソムシじゃなくて、お前の主人は俺様だろうが!!」
晴人が乱心した。
ファンタジー
公開:20/01/07 08:57

創樹( 富山 )

創樹(もとき)と申します。
前職は花屋。現在は葬祭系の生花事業部に勤務の傍ら、物書き(もどき)をしております。
小石 創樹(こいわ もとき)名にて、AmazonでKindle書籍を出版中。ご興味をお持ちの方、よろしければ覗いてやって下さい。
https://amzn.to/32W8iRO

ベリーショートショートマガジン『ベリショーズ』
Light・Vol.6~Vol.12執筆参加
他、note/monogatary/小説家になろう など投稿サイトに出没。

【直近の受賞歴】
第一回小鳥書房文学賞入賞。2022年6月アンソロジー出版
愛媛新聞超ショートショートコンテスト2022 特別賞受賞

いつも本当にありがとうございます!

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容