三日坊主と召喚くじ(十九)

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本殿の扉が開き、現れた泰山府君は。
「……み、巫女さん?」
「神社だからな」
通常の巫女さんと違い、着物も袴も黒一色な点を除けば、初詣のバイトかと思う、若い女の子だった。
「泰山府君って、男じゃないのか」
「好きに変えれるけど、ここ千何百年は女だって。色々ワケありらしい」
「人の寿命を司る神で、鬼強い閻魔の部下……?」
「人は見掛けに寄らないって言うだろ。神だけどな」
さらさらロングヘア。色白ぱっちり二重。身長低めロリ可愛い系。の割に巨乳。限りなくギャルゲーのキャラ風味。歩く姿は、とてとて効果音が付きそうな具合。
「泰ちゃんあけおめ。今年は俺、観戦でよろしく」
「明けましておめでとう、弘前一海。また来年おいでなさい」
幾多の死闘を経た様には見えない、和やかな挨拶を一海と交わした泰山府君は、俺に向かってぺこりとお辞儀した。
「お帰りなさいませ、ご主人様♡」
まるきりメイドカフェな台詞付きで。
ファンタジー
公開:20/01/07 00:34

創樹( 富山 )

創樹(もとき)と申します。
前職は花屋。現在は葬祭系の生花事業部に勤務の傍ら、物書き(もどき)をしております。
小石 創樹(こいわ もとき)名にて、AmazonでKindle書籍を出版中。ご興味をお持ちの方、よろしければ覗いてやって下さい。
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ベリーショートショートマガジン『ベリショーズ』
Light・Vol.6~Vol.12執筆参加
他、note/monogatary/小説家になろう など投稿サイトに出没。

【直近の受賞歴】
第一回小鳥書房文学賞入賞。2022年6月アンソロジー出版
愛媛新聞超ショートショートコンテスト2022 特別賞受賞

いつも本当にありがとうございます!

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