モザイクのある暮らし

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「世の中、見え過ぎでしょ。映画のネタバレしかり、新製品のレビューしかり、女性の・・・。とにかく昔は良かった。神様もそうは思いませんかね?もっと見えない刺激が欲しいですわ」
俺は賽銭箱に小銭を投げ込んだ。

その日から俺の視界には部分的にモザイクがかかるようになった。

電車で反対側に座っているグラマラスな女性の顔にモザイク。

ネットの検索結果のところどころにモザイク。

レストランの価格にモザイク。

夜道をすれ違う怪しげな男の右手にモザイク。

目が覚めたら時計にモザイク。

いやいや、ちょっと神様。だんだんモザイクのかけ方がエスカレートしてないかい?

ある日、信号機にモザイクがかかっていたところで俺はついに音を上げた。

「神様、モザイクはもう結構です。どうか元の生活に戻してください」
お祈りをしたあと、俺はモザイクのかかった場所に向けて、モザイクのかかった何かを投げ込んだ・・・。
その他
公開:20/01/06 18:29
更新:20/01/06 19:51

よしお

400文字に収めるのに四苦八苦していますが、いろいろなジャンルにチャレンジしたいです。

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