三日坊主と召喚くじ(九)
6
5
晴人の氷の微笑に当てられつつ、おみくじを引く。出て来たのは――
「……前?」
大吉や凶なら解るが、前後の前?結果でも番号でもないし、第一くじは九種類もあったか。
「九番目か。よし次」
用が済んだと歩き出す晴人。頭が置いてきぼりの俺。
「次?移動しなくても、ここで…」
おみくじ箱が煙を発して消え、手の中に札が残った。妙な格子模様に『前』と一文字。
「一回引いたらその箱はおしまい。ほら急いで」
「って事は、一回毎に、境内ん中走り回れって!?」
「走って護ってかな」
「寄越せガッ、」
「死ね小ゾッ、」
左右から挟み撃ちに来た奴が、柱と水場にめり込み沈黙。
「札は一組しか揃わないから、奪い合いだよ」
言ったそばから別の一人が、タッチペンに目潰しを喰らい悶絶。
「用心しつつ急ぐ。OK?」
目線がタブレットのまま、三人伸した晴人。黙ってこくこく頷く俺。
そういえばこいつ、拳法有段だって聞いた様な……。
「……前?」
大吉や凶なら解るが、前後の前?結果でも番号でもないし、第一くじは九種類もあったか。
「九番目か。よし次」
用が済んだと歩き出す晴人。頭が置いてきぼりの俺。
「次?移動しなくても、ここで…」
おみくじ箱が煙を発して消え、手の中に札が残った。妙な格子模様に『前』と一文字。
「一回引いたらその箱はおしまい。ほら急いで」
「って事は、一回毎に、境内ん中走り回れって!?」
「走って護ってかな」
「寄越せガッ、」
「死ね小ゾッ、」
左右から挟み撃ちに来た奴が、柱と水場にめり込み沈黙。
「札は一組しか揃わないから、奪い合いだよ」
言ったそばから別の一人が、タッチペンに目潰しを喰らい悶絶。
「用心しつつ急ぐ。OK?」
目線がタブレットのまま、三人伸した晴人。黙ってこくこく頷く俺。
そういえばこいつ、拳法有段だって聞いた様な……。
ファンタジー
公開:20/01/04 18:25
創樹(もとき)と申します。
葬祭系の生花事業部に勤務の傍ら、物書きもどきをしております。
小石 創樹(こいわ もとき)名にて、AmazonでKindle書籍を出版中。ご興味をお持ちの方、よろしければ覗いてやって下さい。
https://amzn.to/32W8iRO
ベリーショートショートマガジン『ベリショーズ』
Light・Vol.6~Vol.13執筆&編集
他、note/monogatary/小説家になろう など投稿サイトに出没。
【直近の受賞歴】
第一回小鳥書房文学賞入賞 2022年6月作品集出版
愛媛新聞超ショートショートコンテスト2022 特別賞
第二回ひなた短編文学賞 双葉町長賞
いつも本当にありがとうございます!
ログインするとコメントを投稿できます