北極星の導き

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「北極星まで」
俺はタクシーに乗り込むとすぐにそう告げた。自分が何をすべきか分からなくなっていたからだ。北極星へは専用のタクシーを使って片道40分。電車で行こうとすると倍以上かかる。
「毎度」
北極星に着くと、多くの人たちが一番高い建物を目指して歩いている。
「この時期はやけに混んでるな」
ここには星の大臣が住んでいる。大昔の船乗りは北極星を目印にして海路を進んだ。今でも北極星は路頭に迷った人間を導く星として活躍しているのだ。
「次の方…またあなたですか。答えは去年と同じ、帰ってよろしい」
「待ってください!」
「私が何度助言しても無駄じゃないか」
「でも、僕…」
「自分を信じるかそうでないかだ」

ここに来るといつも言われる。大臣、あなたに俺の夢は伝わっていないのかもしれない。でも、今年こそ、その導きを信じて…星の大臣の側近になる夢を叶えるぞ!
ファンタジー
公開:20/01/04 16:10

みみ

むかし話、おとぎ話が小さい頃から大好きです。
誰かの目に留まるような物語が書けるように頑張ります!

コメントや☆をつけてくださる方、本当にありがとうございます。嬉しいなぁ、幸せだなぁと心から思いますm(_ _)m

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