三日坊主と召喚くじ(六)
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――びしゃん!
柄杓の水を頭から浴びせられ、正気に返る。
「落ち着いた?じゃあとっとと九字探そうね」
外面こそ温厚そうだが、性格の黒さ容赦なさは、一海より晴人が上だったりする。
「毎度なんだよね一海君と組むと。美味しいとこ全部持ってっちゃって、僕が地味に裏方に徹しないと、一海君は隠行破り出来ないから仕方ないんだけどさぁ……」
「分かったご苦労様お前は偉いありがとう晴人。くじ探そうか、オンギョウって何だ」
「隠形は、満君に解りやすく言うと、ステルスとか隠れ身の術かな。そこにある物を見たり感じたり出来なくする技。たとえばこんな感じ」
――ビシュッ!
俺の頬を掠り気味に、水の弾丸が首筋10センチ横を射抜いた。クナイを握った手が肩に乗り、両目の間に風穴の開いた忍者が崩れ落ちた。
「……て、て、……手!」
「はい騒がない。集中するから」
俺の肩に懐く手を柄杓で掃け、晴人はタブレット端末を取り出した。
柄杓の水を頭から浴びせられ、正気に返る。
「落ち着いた?じゃあとっとと九字探そうね」
外面こそ温厚そうだが、性格の黒さ容赦なさは、一海より晴人が上だったりする。
「毎度なんだよね一海君と組むと。美味しいとこ全部持ってっちゃって、僕が地味に裏方に徹しないと、一海君は隠行破り出来ないから仕方ないんだけどさぁ……」
「分かったご苦労様お前は偉いありがとう晴人。くじ探そうか、オンギョウって何だ」
「隠形は、満君に解りやすく言うと、ステルスとか隠れ身の術かな。そこにある物を見たり感じたり出来なくする技。たとえばこんな感じ」
――ビシュッ!
俺の頬を掠り気味に、水の弾丸が首筋10センチ横を射抜いた。クナイを握った手が肩に乗り、両目の間に風穴の開いた忍者が崩れ落ちた。
「……て、て、……手!」
「はい騒がない。集中するから」
俺の肩に懐く手を柄杓で掃け、晴人はタブレット端末を取り出した。
ファンタジー
公開:20/01/04 10:45
創樹(もとき)と申します。
葬祭系の生花事業部に勤務の傍ら、物書きもどきをしております。
小石 創樹(こいわ もとき)名にて、AmazonでKindle書籍を出版中。ご興味をお持ちの方、よろしければ覗いてやって下さい。
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ベリーショートショートマガジン『ベリショーズ』
Light・Vol.6~Vol.13執筆&編集
他、note/monogatary/小説家になろう など投稿サイトに出没。
【直近の受賞歴】
第一回小鳥書房文学賞入賞 2022年6月作品集出版
愛媛新聞超ショートショートコンテスト2022 特別賞
第二回ひなた短編文学賞 双葉町長賞
いつも本当にありがとうございます!
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