ドラゴンの卵

エリスは、ある日ドラゴンの卵を見つけました。
重たい卵を背負って、森から家に帰ると、両親は驚いて叩き割ろうとしました。
エリスが止めに入ると、ドラゴンの赤ちゃんは自ら殻を割って出てきました。
両親は怖がって部屋から出ていきましたが、エリスは赤ちゃんを撫でました。
こうして子ドラゴンはエリスが育てることになりました。
小ドラゴンはみるみる大きく育ち、あっという間にエリスより大きくなりました。
食べ物に困り、エリスは小ドラゴンを連れて森へ行きました。
すると母ドラゴンが襲ってきました。
「よくも私の子を奪ってくれたね！」
小ドラゴンはエリスを守ろうとして、母ドラゴンと戦いました。
やがて二匹とも死んでいました。
エリスはさんざん泣きました。
気が付くと、母ドラゴンの巣にまた卵があるではありませんか。
エリスは迷ったけれど、涙を拭いてその卵を家に持ち帰りました。
両親は静かに見守っていました。