リッカルドからの連絡

早朝にリッカルドから電話があった。

リッカルドはひどく動揺していた。カロリーナを巡ってアントーニオとブルーノの間でトラブルがあったらしい。

現場にはステファーノたちもいたが、目の前の出来事を呆然と眺めるしかできなかったという。話はルカのところにも届いているらしく、リッカルドはルカからシモーネに話が伝わることを恐れている。

一刻も早く皆がパウロのところに集まるべきだとリッカルドは言った。リッカルドが半ば取り乱しながら喋り続けるので、私はただ頷きながら聞いていた。

一通り話し終えるとリッカルドは少し落ち着いたようだ。私は一つだけ尋ねた。

「どちら様でしょうか？」