三日坊主と召喚くじ(五)

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「一応お守り。持ってろ」
呆然自失の俺の手に、一海が紙切れを掴ませた。A4コピー紙に、梵字とかいう文字が白黒印刷されている。
「……お守り?これが?」
神社の交通安全の方が効きそうだ。現在進行形で俺を危険に晒す張本人が、冗談は大概にしろ!
「最強の真言だ。そこの雑魚連中じゃ、束になっても掠りもしねぇから」
「摩訶目犍連、摩訶迦葉、摩訶迦旃延、摩訶倶絺羅、離婆多!」
「帝釈天に帰依し奉る!雷光招来!」
ぷっつん来たらしき行者の数珠から竜巻が発生し、黒子の頭上で雷雲が湧いた。竜巻と雷が物理法則を無視して水平展開、一海をきれいに避けて俺に直進――!!
理不尽だ、と思い浮かべる先に、Uターンして本人達を襲撃。黒焼きにしながら空の彼方へ連れて行った。
「な、すげぇだろ?」
「九字探そうか、満君」
残りの雑魚(一海談)に包囲された自業自得野郎を残し、小便ちびりそうな俺を、晴人が手水舎へ連行して行った。
ファンタジー
公開:20/01/04 00:31

創樹( 富山 )

創樹(もとき)と申します。
前職は花屋。現在は葬祭系の生花事業部に勤務の傍ら、物書き(もどき)をしております。
小石 創樹(こいわ もとき)名にて、AmazonでKindle書籍を出版中。ご興味をお持ちの方、よろしければ覗いてやって下さい。
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ベリーショートショートマガジン『ベリショーズ』
Light・Vol.6~Vol.12執筆参加
他、note/monogatary/小説家になろう など投稿サイトに出没。

【直近の受賞歴】
第一回小鳥書房文学賞入賞。2022年6月アンソロジー出版
愛媛新聞超ショートショートコンテスト2022 特別賞受賞

いつも本当にありがとうございます!

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