三日坊主と召喚くじ（四）

「あっぶないな～。満君、単独行動禁止」
「去年より難易度上がってるぞ。面白ぇ」
いきなり超能力を見せ付けられ、腰を抜かした俺の前で、サバゲーかＶＲノリの人外魔境ども。脱落者の灰と粉々の破魔矢がまき散らされた参道で、他の生存者もさすがに固まっている。
「今……今何した…？」
「何って、結界張ったんだけど」
「真言（マントラ）。攻撃受けたら、普通迎撃するだろ」
さも当然な顔で、いけしゃあしゃあとほざくな。普通の高校生は、結界とか防御呪文とか普通に使わねぇんだよ！！
「ほう…。高野の出か、小僧」
「安倍晴明後裔、土御門の流派とお見受けする」
髭を生やした行者の爺さんと、黒子みたいな大男が、それぞれ数珠や札を構える。フカシじゃなくて本家だったのか。今更な事を考えながら、俺は脱出の機会を窺った。
「ちょっと下がってろ満。場が閉じてるから、脱出は無理だぞ」
良い笑顔で、一海が俺をどん底に叩き落とした。