003.神棚

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 東大陸は、神様がとても身近な国だ。
 その豆腐屋でも、狐の姿をした神を代々祀っていた。
 神棚には、自家製の油揚げを使った料理を毎朝供えている。
「すいません。あの子のが最後のひとつでして」
「あらあら。そうなの」
 その女性は、店特性の豆乳菓子を嬉しそうに持ち帰る子を残念そうに見送った。
「もう売り切れ?繁盛してるわね」
「お陰様で。お供えの方も気に入ってもらえたみたいでして」
 と、店主は大きな巾着を供えた神棚に目を移した。
「明日のお供えも、たくさんの感謝を込めないとね」
「じゃあ、アレにしたら?」
 と、女性は先ほどの子を指した。
「あの菓子をですか?お供えにしては物足りない気が」
「口直しも必要よ。3日続けて特大巾着じゃさすがに飽きてくるわ」
「それもそうですかね」
 女性が立ち去った後、店主はあることに気づいた。
「あれ?なんで巾着が3日続いた事を知ってたんだ?」
ファンタジー
公開:20/01/03 22:22
更新:20/01/06 11:10
ファンタジー 短編 豆腐

Arujino( 東京都練馬区 )

まずは、こんにちは。

練馬区で活動中の、趣味の絵描きです。

小説・脚本なども執筆してます。

【番号なし】 用語・設定解説

【Ⅰ】 連載作品『WonDer BroS』 探偵と怪盗の対決が娯楽化した世界での物語。

【Ⅱ】 短編連作『Story Of Dri(P)Party』

【Ⅲ】 連載作品『根源悪の牧場』 戦争による差別と弾圧に支配された世界での物語。

【Ⅳ】 連載作品『ドライワンダーに遣う』

【001~】 短篇集『short TaleS』
 

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