食べたい

私は彼と喫茶店にいる。
側の席では中年女性２人が愚痴を言い合っている。

「今日も姑に料理の味が不味いと言われたわ。だったら自分で作ればいいのに」
「私も掃除をしたら、『ワックスの塗りすぎで滑ったわ』」と嫌味を言われたわ。

愚痴は聞こうと思わなくても、自然と入ってくる。
すると彼が「嫁姑といえば、こんなことがあってね。

Ａ子さんは朝からご主人、子供、姑の世話と家事で休む暇も無い。Ａ子さんは『食べたい、食べたい』と思っていた。お昼になりＡ子さんの姑が『蕎麦を作ったので、一緒に食べましょうよ』と言った。それを聞いたＡ子さんは、がっかりした。

私が「姑さんがお昼作ってくれたのに何でがっかりしたの？
好き嫌い？味の問題？
彼は「いや、Ａ子さんが食べたいと思ってたのは朝食なんだよ。朝起きてから何も食べてなかったからね。」