『最高の1日』 誓願

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ざわざわ、がやがやと。
朝から多くの人々が私のもとを訪れる。
ある人は期待と希望に満ちた晴れやかな様子で、ある人は沈鬱で肩を重そうにして、それぞれの方法で私のもとを通過していく。
人によって礼儀をきちんとしていたり、していなかったり。お辞儀をしない人や真ん中を通る人、左右を通るが足にこだわらない人。
厳密にいうと面倒がられるが、私のもとをくぐって誓いや願いを立てにいくのなら、もう心を整えるのは始まっている。
今日は人間が私をくぐる数が一年で最高の1日だ。それだけ様々な人がいる。
新年になり、その年の誓いや願いを社で立て、自らと大切な誰かの幸せを願う。
願わくば彼らがその願いに従って励み、自らの力で願いを叶えられるように。
いつだってその門をくぐるのは、神秘的な力ではなくその人次第。
皆が、一人でも多くの人間が、今度は晴れやかな感謝の顔でこの鳥居をくぐる、そんな最高の1日を私は待っている。
その他
公開:20/01/04 21:07

とーしろさん

はじめまして~。
いつだって初心で、挑戦者のこころでぶっ込みたい素人モノ書きです。

沢山の方々に支えられ、刺激を与えられ、触発されて今日ももちょもちょ書いております。
一人だけでは生み出せないモノがある。
まだ見ぬステキな創造へ、ほんの少しずつでも進んでいきたい。

ショートショートというジャンルに触れる切っ掛けをくださった、
月の音色と大原さやかさんを敬愛し感謝しております。

興味をもって読んでくださる全ての方にも、ありがとうございます~^^

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