鮭取物語

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今は昔、ある山に鮭取りの大っきな熊がおった。
ある日、川へ鮭を取りにいくと、お腹の光る鮭の姿あり。
捕まえて腹を開くと、光り輝くイクラが一粒。
熊はそのイクラを持ち帰り、大切に育てた。お腹も空く空くと脂の乗った立派な鮭に成長し、きりみ姫と名づけた。
求婚をする鮭も現れた。
熊は『鮭皮の羽衣』や『黄金の鮭とば』など、なシャケ無用の難題で追い払った。
ある日、きりみ姫はサケんだ。
「生まれた川へ帰りマス」
きりみ姫の故郷は、なんと天の川であった。
さぁ、悶々とした熊は、天からの使者を料理すべく、塩を持ち、火を炊き、待った。
『あれは何だ!』
空からおにぎりが近づいてくる。
塩を振っても、焼いても、おにぎりは美味しくなるばかり。
すると、中が開き、きりみ姫はほぐし姫へと変身し、具に収まると空へ消えた。
それからというもの、この山の冬には、泣けるほどうまい鮭フレークが降るそうな。

ちゃんちゃん。
ファンタジー
公開:20/01/02 13:11

そるとばたあ( 神奈川 )

★そるとばたあの400字SSは、ことば遊びと文章のリズムにこだわり、音を体感できる物語がコンセプトです!

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