三日坊主と召喚くじ（一）

地上最強おみくじ伝説。とやらにつられた悪友二名に連れられ、一月二日の夜中にやって来た神社。専門家の間では超有名らしい。
着いた早々嫌な予感。境内前の石段に待機する、絶対カタギじゃない連中。坊主に山伏に覆面、呪術師的な……
「今年こそ制覇だ」
「去年惜しかったよね」
やっぱり確信犯か。家がお寺な一海と、自称陰陽師の末裔の晴人。三年連続大吉なんて自慢した事を、俺は心底後悔した。
「頼むよ満君。くじさえ揃えば勝ちだから」
「バトルは任せろ。軽く捻ってやる」
いやおかしいだろ！神社参拝にバトル必要！？何か全員、殺気だだ漏れだぞ。
「なぁ……俺ら、おみくじ引きに来たんだよな？」
「うん。泰山府君招来九字」
タイザンフクンショウライ？何それ。
「九文字集めて召喚すると、どんな願いも叶うってよ」
某漫画で見た設定。今すぐ回れ右したいが、両肩を掴まれ逃走不能。物騒な気配漂う中、日付変更と同時に鐘が響いた。