ピコピコの国へ

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 向こうから歩いて来る人も、喫茶店の後ろの席に座った人も、駅のコンコースを行き交う無数の人も、いま自分のすぐそばを走り抜けた血の色のマスタングを運転する人も、すべてが記号化された何かの象徴でありそこに生身のニンゲンが持つ気持ちも精神も魂も心も、もはや入る隙間も置いておく余地もない
 耳から入る音は単調で不快な響きになって鼓膜に刺さって脳を焼く
 目から入る画は小さな点で描かれた記号が重なり合って紡がれてく
 歩き出すと見えない道が次々に生まれてゆくのに
 どこを曲がってもその場で止まってもそれを確かめる術はない
 足音は低く鈍い効果音で
 風の音は高周波の不協和音
 省略された絵柄のように行き交う人をとらえてる。誰も彼も自分の人生しか知らない。他人の何を見て、どう感じて、ソイツの何を知っている気で生きてゆくのか。こっちは誰の事も知りたくないのに、誰かが誰かに自分を押し付ける
SF
公開:20/01/02 20:23

ダイナマイト・キッド( Twitter アルファポリス ハイパーグラウンド 小説家になろう )

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