フシギな　き

一つの茎に60個程の節があり、それぞれの節の成長点が伸びることによって、節と節の間隔が広がり、高くなる。
この種は歴史の節目節目で多彩な役割を果たしてきた。
ある時は光り輝く少女を宿した。長じては美女となり、時の帝の心まで奪った挙句、ぷらっと月へ帰っていった。その後、悪事を働いた者を仲間と夜な夜な成敗しているという。
発明王の電球発明に際しては、世界各地のあらゆる素材をさしおき、京都は八幡の産がフィラメントに採用された。世界に文明の灯りを灯したのである。
20世紀以降はタレ目のカワイイ動物の生息地、または食材として、世界各地へ赴く。
強靭にして、細工が容易で、木材にはないしなやかさを誇るため、建材、日用品、神事など用途は多岐に亘る。
正月飾りの門松でも中心を成す。
ちなみに、新年用に用意され、正月に焚く薪も節木と呼ばれる。
これからも縁起物として、人々の生活に寄り添い続けるだろう。