神様と結婚した兄弟の話

ある兄弟のもとに女神の姉妹が現れた。
「私達は貴方達と結婚する為にやってきました。さあ、どちらがどちらと結婚しますか？」
女神は一方が福の神。もう一方が貧乏神だった。
兄は迷うことなく言った。「貧乏神よ！私と結婚してくれ！」
福の神は兄に聞いた。「何故私を選ばないの？」
兄は答えた。「俺はワーカーホリックだ。暇は俺を殺す毒だ。貧乏？望むところだ。働く理由になるじゃないか！福の神、貴方は弟を幸せにしてやってくれ。弟は幼い頃から病気で健康であるという幸せを知らない。貴方は弟を健康にして幸せを教えてやってくれ」
その言葉を聞き、福の神は安心したように弟と結婚した。
弟夫婦は健康で平凡な幸せを手にした。それは贅沢な生活より、弟がずっと望んでいたものだ。
兄は貧乏神と結婚した。貧乏子沢山。子供達に囲まれ、兄は家族の為により一層仕事に精を出した。
兄弟姉妹は自分達の価値観で其々の幸せを感じている。