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「お母さん、手に巻いてるの、何?ガーゼ?怪我でもした?」
母は一瞬不思議そうな顔をした後、感慨深い様子で微笑んだ。
「貴女も見えるようになったのね。そうよね、もう来月には生まれるものね。」
私は出産のため久しぶりに帰省していた。
「どういうこと?」
「これは・・・そうねえ、年輪みたいなものよ。最初は貴女がまだお腹にいるときだったな。この薄い布が、子育ての要所要所で現れるようになったの。手に巻きついて、馴染んで、貴女を守れる手になったって、自分まで成長してる感じがして嬉しかったな。」
母は懐かしそうに目を細める。
そうか、あの優しく柔らかく、なのに強く頼もしい手は、"母"という名前だったんだな。
私の手を見て、母が微笑む。
「私の手は、きっとこれから"おばあちゃん"になっていくのね。ふふ、楽しみだわあ」
無意識にお腹をさすっていた私の手を、"母"が柔らかく包んだ。
母は一瞬不思議そうな顔をした後、感慨深い様子で微笑んだ。
「貴女も見えるようになったのね。そうよね、もう来月には生まれるものね。」
私は出産のため久しぶりに帰省していた。
「どういうこと?」
「これは・・・そうねえ、年輪みたいなものよ。最初は貴女がまだお腹にいるときだったな。この薄い布が、子育ての要所要所で現れるようになったの。手に巻きついて、馴染んで、貴女を守れる手になったって、自分まで成長してる感じがして嬉しかったな。」
母は懐かしそうに目を細める。
そうか、あの優しく柔らかく、なのに強く頼もしい手は、"母"という名前だったんだな。
私の手を見て、母が微笑む。
「私の手は、きっとこれから"おばあちゃん"になっていくのね。ふふ、楽しみだわあ」
無意識にお腹をさすっていた私の手を、"母"が柔らかく包んだ。
ファンタジー
公開:19/12/30 15:04
普段は病院で働くひと。
のんびり妄想したい。
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