ワニ襲撃

ショーの途中、口を開けたワニが襲ってきた
私は慌てたが、体が反応し、思わず叩いてしまった
その瞬間、電気が走り、意識がなくなった

目を開けると正面に、倒れている自分が見えた
横には襲ってきたのとは別のワニがいた
しばらく考えて気がついた

入れ替わってる

最悪だ

どうしようか悩んだが、私の力ではどうにも出来ない

前向きに受け入れることにした
生体でも調査しよう
ワニたちは５人家族で、人間から番号で呼ばれていた
３番と呼ばれると誰も反応しなかったので、自分のことだとわかった
それから私はショーで人間を楽しませ続けた
１日に何回か、口を開けたまま勢いよく登場するだけの簡単な仕事だった

年の瀬
私はワニのまま年を越すのだろうか
その時、スタッフが大掃除と言っているのを聞いた
事件が起きたのはその夜だった
まずはモグラが全滅した
そして人間をパニックに陥れてきた私たちも主電源を切られた