忙しい二十歳
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娘の京子は今年で二十歳になる。成人式の準備に大張り切りだ。ヘア・セットにレンタルの着物の選択と、色々と出費が嵩むが愛娘のためである。辛抱しよう。
成人式当日の朝、京子が準備を終えて姿を現した。
「お父さん、どう?」
と、晴れ着姿を私に見せつける。「なかなか良いじゃないか」と、写真を撮っておく。
「来月にはオーストラリアへ行きたいの」
「なんで?」
「バンジージャンプしに行きたいの。あれって成人の儀式なんでしょ?」
お前はどこの国の民族なんだ?
「成人式が終わったらパスポートとらなきゃ。バイト代だけじゃ足りないから、ね、お父さん、お金、お願い!」
私はちょっとムッとしたが愛娘の笑顔にはいつもやられてしまう。
「……しょうがないヤツだな……」
京子の笑顔が弾む。私は苦笑いしか出てこない。
二年後には大学卒業でレンタル衣装代がまた嵩む。娘をもつ男親はなにより辛抱と寛仁が必要なのだ。
成人式当日の朝、京子が準備を終えて姿を現した。
「お父さん、どう?」
と、晴れ着姿を私に見せつける。「なかなか良いじゃないか」と、写真を撮っておく。
「来月にはオーストラリアへ行きたいの」
「なんで?」
「バンジージャンプしに行きたいの。あれって成人の儀式なんでしょ?」
お前はどこの国の民族なんだ?
「成人式が終わったらパスポートとらなきゃ。バイト代だけじゃ足りないから、ね、お父さん、お金、お願い!」
私はちょっとムッとしたが愛娘の笑顔にはいつもやられてしまう。
「……しょうがないヤツだな……」
京子の笑顔が弾む。私は苦笑いしか出てこない。
二年後には大学卒業でレンタル衣装代がまた嵩む。娘をもつ男親はなにより辛抱と寛仁が必要なのだ。
青春
公開:19/12/30 14:41
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