節目のある部屋

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 いつもここで待っていました。
 窓を開けて、笑顔で立って、狭いけれど大切にしてきた私の部屋。

 劇的でなくてもいい。私を変えてくれるなら。
 華やかでなくてもいい。心から愛せるのなら。
 私だけの部屋です。私だけの窓です。

 時間を忘れ、たたずんでいた頃もありました。いつもの夕暮れ、色が変わることを信じて。
 でも。揺れるのはいつも、白いカーテンだけでした。
 どうして・・・・・・

 ある日ふと、気づいたのです。
 部屋の中から吹いてくる風を。背中に触れるやさしい風を。

 え。ずっとそこにいたのですか。
 ごめんなさい。
 え。ずっとそこで待っていたのですか。
 ごめんなさい。

 今日は私が生まれ変わった節目です。
 これからは私が、あなたにとってちょうどいい風になります。
ファンタジー
公開:19/12/30 11:44
更新:19/12/30 12:37
節目 コンテスト

二森ちる( 瞑想と妄想の森で )

二森(ふたもり)ちると申します。
人生の節目に、二つ目の名前をつくりました。童話や小説などはこの名で執筆しています。
怪談やホラー系は「鬼頭(きとう)ちる」名義で活動しています。
どうぞよろしく。

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