机の引き出しの奥。
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机の引き出しの奥。
静かに眠っている手紙が4通。
凍てついた空気の夜。そっと、机の引き出しのなかから、手紙を取り出す。カサリ、手紙を開く音がひとりの部屋に響く。
1通目。12歳。
「毎日とってもたのしいよ!」
2通目。13歳。
「学校って大変」
3通目。14歳。
「学校行きたくないな」
4通目。15歳。
「死にたい」
5通の手紙をそっと、机の引き出しの奥にしまう。
5年越しの5通目。20歳。
「学校行きたくないとか、死にたいとか、苦痛を抱えながらも、貴方が生きてくれたから、私は今生きてる。今年で20歳になったの。高校で、素敵な友だちに出会って、大切な人もできて…。もちろん嫌なこともあるけど、今ね、とっても幸せ。
貴方の頑張りで今の私があるから。貴方の悲しみ、苦しみ、痛み、絶対に無駄になんかしないから。
ありがとう。精一杯生きてくれて」
静かに眠っている手紙が4通。
凍てついた空気の夜。そっと、机の引き出しのなかから、手紙を取り出す。カサリ、手紙を開く音がひとりの部屋に響く。
1通目。12歳。
「毎日とってもたのしいよ!」
2通目。13歳。
「学校って大変」
3通目。14歳。
「学校行きたくないな」
4通目。15歳。
「死にたい」
5通の手紙をそっと、机の引き出しの奥にしまう。
5年越しの5通目。20歳。
「学校行きたくないとか、死にたいとか、苦痛を抱えながらも、貴方が生きてくれたから、私は今生きてる。今年で20歳になったの。高校で、素敵な友だちに出会って、大切な人もできて…。もちろん嫌なこともあるけど、今ね、とっても幸せ。
貴方の頑張りで今の私があるから。貴方の悲しみ、苦しみ、痛み、絶対に無駄になんかしないから。
ありがとう。精一杯生きてくれて」
その他
公開:19/12/31 14:24
更新:20/12/22 16:04
更新:20/12/22 16:04
書くこと、読むことが大好きな社会人3年生。
青空に浮かぶ白い雲のように、のんびり紡いでいます。
・プチコン「新生活」 優秀賞『また、ふたりで』
・ショートショートコンテスト「節目」 入賞『涯灯』
note https://note.com/sumire_ssg
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