親父ロック
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親父が死んだ。
『岩さん』と呼ばれるほどの頑固者で、火山みたく突然噴火する、ろくでもないロックな親父。
そんな親父の世話疲れか、母も数年前に他界した。
葬儀の前に、俺は遺石の発掘をすることにした。
遺石は、故人の意思が人生という川の流れで侵食されたもので、ダイヤなどの宝石になることもある。
金になるならと、俺は親父の心と繋いでもらい、発掘へとでかけた。
枝分かれした心の採石場。
『ギャンブル』と書かれた道は、何もないどころか落石だらけ。
入口に戻り、『家族』と書かれた道を進んでみる。
『どうせ、何も…あっ』
何の変哲もないただの石があった。
下には樽だ。石をどかし、樽を開けると、野菜が漬かっていた。漬物石かよ。
漬物を一口かじると、ストンと落ちた。
懐かしい母の味だ。
『ふざけんなよ。鉱物じゃなくて、ただの好物かよ』
少ししょっぱい漬物を食べながら、俺は幼い頃、囲んだ食卓の思い出に浸った。
『岩さん』と呼ばれるほどの頑固者で、火山みたく突然噴火する、ろくでもないロックな親父。
そんな親父の世話疲れか、母も数年前に他界した。
葬儀の前に、俺は遺石の発掘をすることにした。
遺石は、故人の意思が人生という川の流れで侵食されたもので、ダイヤなどの宝石になることもある。
金になるならと、俺は親父の心と繋いでもらい、発掘へとでかけた。
枝分かれした心の採石場。
『ギャンブル』と書かれた道は、何もないどころか落石だらけ。
入口に戻り、『家族』と書かれた道を進んでみる。
『どうせ、何も…あっ』
何の変哲もないただの石があった。
下には樽だ。石をどかし、樽を開けると、野菜が漬かっていた。漬物石かよ。
漬物を一口かじると、ストンと落ちた。
懐かしい母の味だ。
『ふざけんなよ。鉱物じゃなくて、ただの好物かよ』
少ししょっぱい漬物を食べながら、俺は幼い頃、囲んだ食卓の思い出に浸った。
その他
公開:19/12/31 12:17
☆そるとばたあの400字SSは、『ミュージシャンが曲を作るように物語を描く』をコンセプトとしております。
ことば遊びと文章のリズムにこだわり、音を体感できる物語に挑戦中です!
☆拙作のプレイリストを選んでいただきました!
気になられた方は、↓の過去作品も一緒に楽しんでいただければと思います!
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